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深度三,三三糎の心の海から湧き出ずる毒ぼやきの数々。
 
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『ローマ法王の休日』
(監督脚本:ナンニ・モレッティ 主演:ミシェル・ピッコリ)
観てきました~。
パンフレット売り切れだったのでかなりうろ覚えですが感想。
 
とりあえず、鑑賞前に『思っているのとは違った』というレビューは見ていたのですが、
確かに、思っていたのとは…。
というか、日本版公式サイトのトレイラーから想像したのとは違いました。
 
トレイラーから受けた印象…近年の邦画でありがちな
『泣いて笑って元気が出る』という売り文句のつく『ハートフルコメディ』では、ありませんでしたねー…うん…。
お客はシニア層が多かったようですが、同年代の高齢者の奮闘を見て元気を貰おうという意気込みで御覧になった方は当てが外れたのではないかと、余計なお世話なことを思いましたです。
それに、高齢者といっても、カトリックの枢機卿なんてかなり特殊な部類だものなあ。
もっとも、そういう特殊すぎる立場の人を、人間としてどう描くかという作品ではあるのでしょうね。

原題『Habemus Papam』(ラテン)と英題『We have a Pope!』は、新法王発表時の決まり文句。
…なのに邦題はちょっと色気を出して名画っぽくしちゃったのもあんまりよくなかったかも。
いい題ではあると思うんだけど、雰囲気は違うから。
 
笑えることは笑えます。
劇中でチェホフの戯曲『かもめ』がよく出てきてる、なんてことからも推して知るべしな、シニカルな笑い。
そして、散々ニヤニヤさせたあとの展開がやっぱりイタリア映画…(今回はお色気はないけど)
 
ま、私はローマカトリック高位聖職者の祭服が堪能できて幸せでした。
とにかくカーディナルレッド見放題だもの。
しかも、当然皆様いいお歳。色んな国と地域からお集まり。
(日本人という設定の方もいらっしゃいました~)
いいなあ。
ソフト化したらまた見て、カラヴァッジョ三人衆とか、赤マントを描きたいな。

『ローマ法王の休日』から、祭服いくつか
 枢機卿や法王さまのお衣装についてちょびっと。
 
つづきから、あらすじと感想(ネタバレは回避)

法王を選出するコンクラーヴェ。
密室となったシスティーナ礼拝堂の中で枢機卿達は異口同音に祈る。
 
「主よ、どうぞ私をお選びになりませぬよう…!」
 
そして何度も投票を繰り返す内に、何故か本命ではなかった枢機卿に票が集中。
自分ではなかった!と思い切り安堵した枢機卿たちの拍手のなか、呆然とする新法王聖下。
 
敬虔なる信徒達がひしめき合うサン・ピエトロ広場を望むテラスで、
高らかに新法王を誕生を告げる…はずが、突然「助けて下さい!」と号泣する新法王。
よろよろと退室してしまう姿に皆呆然とするばかり。
正式発表は中止、聖下は祈祷の為にお籠もりになられたと報道される。
 
診察の結果、体調に問題はないが横になったままの法王のため、
男性セラピスト(演じるのは監督本人)が呼ばれる。
が、事は機密扱い。まだ法王のお名前も明かせない。
心理学とキリスト教の教理の葛藤…心と魂のありか、科学と宗教の対立など…もあり、
性について、トラウマについて、青春時代、子供時代、母親、夢の話も全部NG。
何を聞けっていうんだと頭を抱えるセラピスト。
(このあたりは心理学者への毒に笑うところかも)
さらに、ホールの真ん中に置かれた椅子に座るセラピストと聖下を、壁際ぐるりと取り囲む枢機卿達の見守っていて、物凄いプレッシャー。
法王様は、突然頭が真っ白になり、以前のことが思い出せなくなったと仰る。
このあたりも少しはっきりしない。
多分アルツハイマー等という話ではないと思うので
自分を見失っている、みたいなことなのかな?
無茶な状況でのセラピーは不首尾に終わり、
セラピストの提案で、法王を知らない外部の者に見せることになる。
が、そのための極秘外出の最中、法王が逃亡してしまう。
 
(ところで私がここで一番心配していたのは、法王様お財布は…!?てことでしたが、
ちゃんと携行なさっていた御様子。ホッ。)
 
報道官は捜索の傍らで、身代わり作戦を立てる。
といっても、似たような体格の近衛兵を法王の私室に籠もらせて、
カーテンを揺らしたり歩き回ったりさせるだけだが…。
そして連日『聖下は御祈祷中』と言い続ける。
 
100人を越える枢機卿は、時期法王の正式発表までバチカンに缶詰になってしまう。
暇を持て余してルームランナーを持ち込んだり、ジグソーパズルしたり、カードゲームに興じたり。
中には空気読めない方々も居て、三人連れで『絶品シュークリームと、もちろん…カラヴァッジョ展~♪』を堪能しに出て行こうとして止められたり。
(声を揃えて『カーラヴァッジオ~♪』って言うところが大好きだ)
 
やはり秘密保持の為に足止めを喰らったセラピストの提案というか煽動で、
ついには第一回教区対抗バチカン室内バレーボール大会まで始まってしまう。
セラピストと枢機卿の首席が、ダーウィニズムについて、バレーボールの審判しながら論争したり。
オセアニアチームは選手…枢機卿の数が少ないので、点取ったら拍手がすごかったり。
 
 
と、聖下お籠もり中と思い込んでいるバチカンは無邪気なものだけれど、
御本人はというと…。
カフェに立ち寄る。深夜バスに乗る。ドーナツを買い食いする。
(一応、ちゃんとしたホテルに宿を定めて、報道官とも連絡を取る)
ローマの街をさまよう法王様のパートは、ひたすら淡々としており、
法王様がなにをお考えなのかは、観客の想像任せという色が濃い。
外部のセラピスト(缶詰になってる人の元奥さん)を再訪したり、知り合いになった楽団員達との会話の中で、
若い頃のこと(俳優を夢見たことがあったが、養成学校に落第、妹さんは合格した。妹さんがその後女優になったかどうかは解らない)が
ぽつりぽつり語られはしたけれど、それについてどう思っているかなど感情の吐露があるわけでもなく、
予想していたような、聖職を志した切っ掛けという話もなく。
 
ただ、信仰を見失ったわけではないようです。
むしろ強い信仰心や、教団の使命…年々困難な状況を深める世界を救済する…への責任感を強く持っているからこそ、法王という位の重さに押し潰されかけているようでした。
…というところから解るように、この映画は宗教批判ものではありません。礼賛もしてないけど。
真摯すぎるひとの話です。
 
さて、いい加減偽装工作も露見してしまい、休日もおわり。
法王様の決断とは……?
 
まあ、一回見ただけでは消化不良なところもあるので、
やっぱりまた見返したいなと思います。
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無駄と斑の腐渣。はぐれ腐。
らくがきと調べ物が趣味の
古典寄り歴史ヲタク。

中古日本史、東洋史、仏教史(仏教東漸期の東アジア、平安密教、仏教芸能、美術、門跡寺院制度等)、有職故実、官職制度、風俗諸相、男色史。古典文学、絵巻物、拾遺・説話物。

好きな渡来僧:婆羅門僧正菩提僊那、林邑僧仏哲
好きな法皇:宇多法皇
好きな法親王:紫金臺寺御室、北院御室
好きな平氏:重盛、経盛、敦盛
好きな法衣:裘代五条袈裟
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好きな:挿頭花と老懸を付けた巻纓冠
好きな結髪:貴種童子の下げみずら
好きな童装束:半尻、童水干
好きな幼名:真魚(空海さん)
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好きな:青葉、葉二
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やまとことばも漢語も好き。
活字・漫画・ゲーム等、偏食気味雑食。

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