(このよき日に歓びは極まりなく、長き御代での楽しみは未だなかばです)
謝偃『和漢朗詠集』
正月の踏歌で良くうたわれた、わりとポピュラーな朗詠だそうです。
今年の年賀状のネタ…
改めまして、あけましておめでとうございます。
拙いサイトですが本年もどうぞよろしく。
ということで
トップ絵更新できました~
なんか気が付いたらまた童舞描いてたけど、よく考えたら去年も一昨年も新年絵は童舞だったね。
ネタがあんまり浮かばないと自然にこうなる。好きだから仕方ないのです!!
いっそ恒例ってことにしとこうかな…。
「つづきを読む」で舞楽胡蝶・迦陵頻について。
舞楽の胡蝶と迦陵頻(かりょうびん)。
童舞で四人舞になります。現行雅楽では女性が舞う事が多いようです。
どちらも童舞の代表格で、多くは2つでセット(番舞つがいまい、という)です。『蝶鳥』といえばもともとこの二つを指したようです。
管弦の宴で池泉に竜頭鷁首が浮かんでたら、こういうコスプレ(!)姿のちっちゃい子が乗ってたりしますw
迦陵瀕は仏教の経典に出てくる『迦陵瀕伽(かりょうびんが;Kalavinka)』のことで、仏教世界では割と珍しい半人半鳥。
その声は妙なるものとして、観音の声の喩えなどにも使われ、仏教美術の中でもにぎやかし要員としてw多く題材にされています。楽舞飛天の中に混じってたりします。
迦陵の方は林邑八楽(天平時代に林邑僧仏哲またはその師南天竺僧婆羅門僧正が伝えたとされるもの)に数えられており、古楽の一つです。
「教訓抄」巻五には、胡蝶は延喜六年の童相撲の時に作られた、とあります。最初から迦陵とセットだった訳ではなく、主に寺院での法会で舞われていた舞楽が、寺院以外の場所で行事や饗宴で供される楽しみとなって、官制となり、曲目の編成を経て、左右番舞という制が生まれるころ、迦陵の対として創作されたのが胡蝶なのでしょう。故事の『胡蝶の夢』とは関係ないようです。
左方舞の迦陵瀕が紅を、右方舞の胡蝶が青(緑)を基調としています。
袍は、胡蝶が腋を縫ってあり袖括がなく、迦陵は闕腋で袖括をします。蝶・鳥の文と、舞楽装束に付き物のカ[穴+果]文が刺繍で。
迦陵は袴の上からすねあたりを脛巾(はばき)で覆います。この脛巾がしましま模様なのは、鳥の足に見立てているんでしょうね。
持物は胡蝶が山吹の枝(多くは造花)、迦陵が銅拍子(手のひらサイズのシンバルのようなもの)です。迦陵の妙音を表しています。
背中と腹に板や紙でつくった羽根・尾羽・鳥や蝶の胴体を付けます。(実物はもっとカラフルですが…)これが大きな特徴であり、羽根という大がかりで奇抜で夢見がちでかわゆらしい萌えポイントが、胡蝶と迦陵が貴種の若君のコスプレとしてスタンダードとなった由縁でしょう(だからコスプレ云うな)
この絵では前掛けの腹板や天冠の両脇に付ける造花を省略しています。また、胡蝶の袍が白で現行と違いますが、古図や遺物の装束などの資料を見るとこういう色合いのものもあったりします。白良い、白かわいいよ。