大河ドラマ『平清盛』は一応見ているのですが、色々悲惨で
かなり消耗するので、本気で早送り映像だけで…
だってあんなヤンキーあがりのチンピラみたいな一門の総領、いやだもの。
というわけで、口直しに映画『新・平家物語』(監督・溝口健二、主演・市川雷蔵、大映/1955)
を見ました。吉川英治の原作になります。
監督の没後50年記念の復刻シリーズで出たDVDですが、昭和30年当時では破格の総天然色で、大映が相当力を入れて作っていたのがわかります。セットや寺社ロケ、今じゃ中国映画でしか見られないようなエキストラの数も凄まじい。
殿上人が白拍子一座をはべらせての野遊びや、今宮神社の御霊会で、花傘を囲んでくるくる踊る民衆には、これを銀幕で見られた公開当時の観客が妬ましくなってしまう。
比叡山の悪僧どもが、帝でさえ膝を折らねばならない神輿(しんよ)を担いで京を練り歩き、朝廷に圧力をかけるのですが、お山の中から怒濤のごとく湧いて出てくる大衆(だいしゅ)が大講堂前の回廊に集結して気勢を吐くシーンは、僧兵好きなら法悦ものです。何回見ても飽きません。児君たちは物騒だから僧坊に籠もって震えてるのかな、とか考えてもまたニヨニヨが止まりません。
特報映像には原作が新聞に連載していた当時からの挿絵担当である杉本健吉画伯の筆で主要登場人物の紹介があったりという点でも感激です。
清盛は市川雷蔵。眉毛がすごいです。(絵では控えめにしてあるよ)
こちらは物語終盤、左兵衛佐に昇った清盛が参内した折の五位武官の装束です。んんんんん、りりしい。
また他にも描くかもしれませんが、とりあえず一番描きたかった立派な男振りの清盛をw
おまけ。大河に出てきたのちの後白河さん。
わたしはみずら大好きだけど、別に成人が無理して童形にしてるとこみてもあんまり萌えないよ。
あと、宮がかたつむり食べるかと思った。
さすがにそれしたら抗議来るだろうけど、なんか痛い子設定みたいだから、食べそうに見えた。
以下、大河への愚痴なので続きからどうぞ。
かなり消耗するので、本気で早送り映像だけで…
だってあんなヤンキーあがりのチンピラみたいな一門の総領、いやだもの。
というわけで、口直しに映画『新・平家物語』(監督・溝口健二、主演・市川雷蔵、大映/1955)
を見ました。吉川英治の原作になります。
監督の没後50年記念の復刻シリーズで出たDVDですが、昭和30年当時では破格の総天然色で、大映が相当力を入れて作っていたのがわかります。セットや寺社ロケ、今じゃ中国映画でしか見られないようなエキストラの数も凄まじい。
殿上人が白拍子一座をはべらせての野遊びや、今宮神社の御霊会で、花傘を囲んでくるくる踊る民衆には、これを銀幕で見られた公開当時の観客が妬ましくなってしまう。
比叡山の悪僧どもが、帝でさえ膝を折らねばならない神輿(しんよ)を担いで京を練り歩き、朝廷に圧力をかけるのですが、お山の中から怒濤のごとく湧いて出てくる大衆(だいしゅ)が大講堂前の回廊に集結して気勢を吐くシーンは、僧兵好きなら法悦ものです。何回見ても飽きません。児君たちは物騒だから僧坊に籠もって震えてるのかな、とか考えてもまたニヨニヨが止まりません。
特報映像には原作が新聞に連載していた当時からの挿絵担当である杉本健吉画伯の筆で主要登場人物の紹介があったりという点でも感激です。
清盛は市川雷蔵。眉毛がすごいです。(絵では控えめにしてあるよ)
こちらは物語終盤、左兵衛佐に昇った清盛が参内した折の五位武官の装束です。んんんんん、りりしい。
また他にも描くかもしれませんが、とりあえず一番描きたかった立派な男振りの清盛をw
おまけ。大河に出てきたのちの後白河さん。
わたしはみずら大好きだけど、別に成人が無理して童形にしてるとこみてもあんまり萌えないよ。
あと、宮がかたつむり食べるかと思った。
さすがにそれしたら抗議来るだろうけど、なんか痛い子設定みたいだから、食べそうに見えた。
以下、大河への愚痴なので続きからどうぞ。
世間様では視聴率が低いからって鼻で笑われてるようですが
別に、清盛ネタがニッチだからとか風体が不潔とかだからじゃなくて
これ、まずもって脚本がひどいんだよ…。
ストーリーは現代的なドラマを粗雑な機械翻訳しただけ、みたいないい加減なものだし、言葉遣いもおかしい。
下々の人達の言葉遣いまでああだこうだ言うつもりはないけれど、せめて宮中、帝まわりくらいは、「おわします」「あそばします」くらいは使わないと正直宮中シーンの意味がないし、女官が『○○親王が』とか呼び捨てにするとか、ありえん…。呆然とする。
装束や行事の一部などで、ピンポイントで時代考証を頑張っているなという部分はあるんだが、根本がおかしいので、逆にちぐはぐな印象を受ける。
そもそも武士と貴族という構図からして定義があやしい。当時はそもそも『貴族』とかそれほど一般的に言わないだろ。
一部で湧いていた「王家の犬」という言葉についても、問題は天皇家軽視とかじゃなくて、なんでわざわざ今の学者が使っているだけの用語で、当時の人が一般に使っていたわけでもなく、時代物に親しんできた人間にも耳慣れない言葉を使おうとするのかがわからなくて気持ちが悪いのだ。それも、基本的に言葉遣いがガタガタな中でだ。
おまけに、語彙が少ないから、『武士武士武士』『貴族貴族貴族』『西海西海西海』『北面北面北面』『王家王家王家』って、莫迦の一つ覚えで連呼されるのも耳障り。地下武者、さぶらい、もののふ、殿上人、公家、公達、公卿、いくらでも言い換えは出来る。西海でもどこの湊、どこの泊、どこの津か、具体的な地名は言わずにただ『西海』というだけだし。
北面など武官の職掌についてもおぼろげで、弓の鍛錬以外に仕事してるのかこいつら、ていう胡乱なことに。
普通この時代、そうそう名で呼んだりはしない。それを避けて、通称や職位、地名などさまざまに呼ぶものなのにそれもない。
また、『平太』というのを幼名扱いにして、名付けた時もなんだか大層な盛り上げ方をしていたが、これは九郎義経とか八郎為朝のような通称であって成人しても呼ばれるもの。清盛の幼名が伝わっていないからってこんなことにしちゃったのかもしれないが、幼名であんだけもったい付けるくせに、烏帽子名の『清盛』についてはあっさりしたもんだったのもなんだかな、という気がする。
とか、言葉の上の大まかなことだけでも、いくらでもおかしなところがある。
俳優陣の演技はそれなりに見えるだけに、脚本のまずさがどうしようもないレベルなのが否応なしに解ってしまう。
脚本家の他の作品は「ちりとてちん」を覚えているが、そこまで酷かった覚えはない。どうしてこんなことに?
これから先政変も起きて事情が込み入っていくのに、大丈夫なんだろうかとひどく心配になる。
だいたい清盛はいまのとこ職場でやる気なさそうに弓の稽古くらいしかしてないのに。これだけで太政大臣になったりしてなwww
別に、清盛ネタがニッチだからとか風体が不潔とかだからじゃなくて
これ、まずもって脚本がひどいんだよ…。
ストーリーは現代的なドラマを粗雑な機械翻訳しただけ、みたいないい加減なものだし、言葉遣いもおかしい。
下々の人達の言葉遣いまでああだこうだ言うつもりはないけれど、せめて宮中、帝まわりくらいは、「おわします」「あそばします」くらいは使わないと正直宮中シーンの意味がないし、女官が『○○親王が』とか呼び捨てにするとか、ありえん…。呆然とする。
装束や行事の一部などで、ピンポイントで時代考証を頑張っているなという部分はあるんだが、根本がおかしいので、逆にちぐはぐな印象を受ける。
そもそも武士と貴族という構図からして定義があやしい。当時はそもそも『貴族』とかそれほど一般的に言わないだろ。
一部で湧いていた「王家の犬」という言葉についても、問題は天皇家軽視とかじゃなくて、なんでわざわざ今の学者が使っているだけの用語で、当時の人が一般に使っていたわけでもなく、時代物に親しんできた人間にも耳慣れない言葉を使おうとするのかがわからなくて気持ちが悪いのだ。それも、基本的に言葉遣いがガタガタな中でだ。
おまけに、語彙が少ないから、『武士武士武士』『貴族貴族貴族』『西海西海西海』『北面北面北面』『王家王家王家』って、莫迦の一つ覚えで連呼されるのも耳障り。地下武者、さぶらい、もののふ、殿上人、公家、公達、公卿、いくらでも言い換えは出来る。西海でもどこの湊、どこの泊、どこの津か、具体的な地名は言わずにただ『西海』というだけだし。
北面など武官の職掌についてもおぼろげで、弓の鍛錬以外に仕事してるのかこいつら、ていう胡乱なことに。
普通この時代、そうそう名で呼んだりはしない。それを避けて、通称や職位、地名などさまざまに呼ぶものなのにそれもない。
また、『平太』というのを幼名扱いにして、名付けた時もなんだか大層な盛り上げ方をしていたが、これは九郎義経とか八郎為朝のような通称であって成人しても呼ばれるもの。清盛の幼名が伝わっていないからってこんなことにしちゃったのかもしれないが、幼名であんだけもったい付けるくせに、烏帽子名の『清盛』についてはあっさりしたもんだったのもなんだかな、という気がする。
とか、言葉の上の大まかなことだけでも、いくらでもおかしなところがある。
俳優陣の演技はそれなりに見えるだけに、脚本のまずさがどうしようもないレベルなのが否応なしに解ってしまう。
脚本家の他の作品は「ちりとてちん」を覚えているが、そこまで酷かった覚えはない。どうしてこんなことに?
これから先政変も起きて事情が込み入っていくのに、大丈夫なんだろうかとひどく心配になる。
だいたい清盛はいまのとこ職場でやる気なさそうに弓の稽古くらいしかしてないのに。これだけで太政大臣になったりしてなwww
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