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深度三,三三糎の心の海から湧き出ずる、逆名(サカナ)のぼやき。
 
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すすき残暑お見舞い申し上げます。
海抜900m地帯ではススキの穂も開いて一足先に秋めいていました。
日が傾き蜻蛉が田んぼや川面に群れだすと、急に行く夏が惜しくなってしまいます。

つうわけで
郡上八幡に行ってきましたー

郡上ね、前から気になっていたところがあってですねー
そこに行かせて貰いました!!!
折口信夫(釈迢空)の歌碑ですよ!!!!
いやほーーーー!!
ああっ、岐阜県内にこんなお宝スポットがあるなんてー!!
嬉しいじゃないですかあ。

とはいえそこは家族旅行ですんでwそれ以外も回ってきました~。

詳細は「つづきを読む」にて。


最初は大日岳、ダイナランドゆり園です。

 冬季はスキー場ですが、夏場も人を呼ぼうと百合を植えています。秋桜を植えているスキー場もありますね。
ただ、管理は雑っぽい感じもしますw
でも涼しくて気持ちいいことは確か(空気が澄んでるので紫外線も凄いけど)
えーと、売店で百合根の天ぷら食べました。サツマイモかと思うくらい甘かったです。百合根って茶碗蒸しに入ってたのしか食べたこと無かったけど、こんなに甘いものだっけ。

おさかなブロック その後はひるがの高原です。ひるがの(蛭ヶ野)って漢字では書かないんだよねー。観光地としてはイメージが悪いからかなあ~(ニヤニヤ)
分水嶺(ぶんすいれい)といって、流れる水が日本海側と太平洋側へ別れていく場所があります。
何度も来てるので写真撮影は割愛。
写真は駐車場のおさかなブロック。

滝     郡上へ向かう道中にあった『京仏の滝』
すみっちょに写ってるのが母です。
 

 途中、「古今伝授の里 フィールドミュージアム」に立ち寄りました。

 鎌倉幕府の御家人で、承久の乱以後300年くらい郡上大和のあたりを所領にしていた東(とう)氏一門は、和歌に優れた人材を輩出していたそうです。
 初代東胤行(とうのたねゆき)は藤原定家の孫娘の婿君。くだって九代目東常縁(とうのつねより。別名、東野州)は、優れた歌人・歌学者。      フィールドミュージアムには川向こうの東氏邸庭園跡も含まれ、背後の山には居城跡があります。この城は応仁の乱の時に美濃の斎藤妙椿に落とされたが、常縁(その時は関東に居て不在だった)は妙椿に歌を送って城を返して貰ったそうです。
 常縁は、これまで伝わっていた和歌や歌学を整理し、室町末期の連歌師宗祇(そうぎ)に和歌の秘伝を伝えました。
 その宗祇から、『当流(二条派)』『堺伝授』『奈良伝授』後水尾天皇へ伝わった『御所流』などの流派が生まれていることから、東常縁は『古今伝授の祖』と云われているそうです。
 和歌の秘伝っていうのは、色々あるんですが、例えば、鳥の名前。「よぶこどり(喚子鳥)・ももちどり(百千鳥)・いなおほせどり(稲負鳥)」という、和歌によく詠まれる鳥の名があるのですが、この鳥は実はナニナニ鳥のことをさしているんだ、という解釈が、流派によって違います。(上の三種の鳥を『三鳥』といいますが、フィールドミュージアム内のレストラン、売店、お茶屋さんには、三鳥の名がつけられています)
 その独自の解釈が秘密にされていて、許された者にしか伝えられませんでした。これが『秘伝』というわけ。武術なら免許皆伝の奥義ってところですね。勿論、一門の優れた歌人に与えられるものですが、幕末などには零落した公家が秘伝を金で売った、みたいなこともあったそうです。

 まあとにかくそういう郷土の偉人を発掘してきた人が偉いっていう話ですねw

 和歌文学館も併設されていて、私の目当てはそこの展示物の、釈迢空の直筆短冊だったんですけどね…えへへ。
 お歌は、
「わびしさをこらへて人にむかゐおり おりおりおどろくわれのこと哉(かな)」
 でした。
 あああ!! 扱いにくさ全開でいとおしいー!!
 どういう経緯で書かれた短冊なのか、どこからやってきたのかは判りませんでしたが。


 で、散々寄り道してから郡上の町中へ。
 歌碑はどこだ~どこだ~と捜してみると…
 なんと、あの、夏になると若者が12m下の川面へ飛び込むことで有名な吉田川の橋、旧町役場庁舎脇の新橋のすぐ近くじゃないですか!
 
 すごい、中心部だー。わああー。

 そして現場到着。かあーっ、あったよ!! 看板と共に!!

 わあ、何故か水がすっごい滴り落ちて濡れてるじゃーないですか。
歌碑・表面から(全体) 脇の方にジョウロ置いてありますよ。これ、水ためて打ち水にでも使うのかなあ。

 しかし、これにはね、理由があるようです。

 折口信夫が、柳田国男の薦めによって初めて郡上を訪れた(柳田は郡上で起きたとある事件を『山の人生』に書いている)のは、大正八年の八月。この前月、郡上中心部が火事によって大きな被害を受けていました。石碑に刻まれた歌はその時詠んだもの。
 さらに第二次世界大戦終戦後、戦死したお弟子さん(山川弘至氏、近くの高鷲村に記念館がある)の郷里である郡上を慰霊のため再び訪れた際に、別のお弟子さんに請われて書き与えたものが、碑文の筆蹟のもとになっているそうです。

「焼け原の 町のもなか(最中)を行く水の せせらぎ澄みて 秋近つけり」

 この歌碑はその火事の慰霊碑を兼ねているようで、だから水を利用したモニュメントになってるんですね。

 ただ、水のせいで字が読みにくかった…です…。

 でも、ささやかな野望が叶ってしあわせです。ええもう。

 

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HN:逆名[サカナ]
HP漁屋無縁堂

無駄と斑の腐渣。
らくがきと調べ物が趣味の
風俗文化史好き歴史オタク。
人物志より文化史寄り。
イチ推しはみづら
(美豆良/鬟/鬢頬/総角)。

中古日本史、東洋史、仏教史(仏教東漸期の東アジア、平安密教、仏教芸能、美術、門跡寺院制度等)、有職故実、官職制度、風俗諸相、男色史。古典文学、絵巻物、拾遺・説話物。

好きな渡来僧:婆羅門僧正菩提僊那、林邑僧仏哲
好きな法皇:宇多法皇
好きな法親王:紫金臺寺御室、北院御室
好きな平氏:重盛、経盛、敦盛
好きな法衣:裘代五条袈裟
好きな御衣:御引直衣
好きな:挿頭花と老懸を付けた巻纓冠
好きな結髪:貴種童子の下げみずら
好きな童装束:半尻、童水干
好きな幼名:真魚(空海さん)
好きな舞楽:陵王、迦陵頻、胡蝶
好きな琵琶:青山、玄象
好きな:青葉、葉二
好きな仏像:普賢・文殊(童形)はじめ菩薩以下明王、天部、飛天(瓔珞天衣持物好き)

やまとことばも漢語も好き。
活字・漫画・ゲーム等、偏食気味雑食。

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