■「朗読 宮沢賢治名作選集1」
声優さんが宮沢賢治作品を朗読するシリーズ。
入手は結構前ですが感想書いてなかったのでついでに。
どんぐりと山猫…石田彰
よだかの星…小野大輔
注文の多い料理店…森川智之
というキャスト。
朗読ってやっぱりオーディオドラマやアニメなどとは違った感じで
声のお仕事の別の醍醐味を味わえます。
やっぱり、原作そのままで、
地の文も読んで貰えるのが嬉しいですね。
ひとり何役かこなされるので、声音使いも聞き所ですが
↑のあたりのラインナップだと、動物キャラクターが多いので
聞いててくすくす来ちゃいます。
子供さんにも自信を持って聞かせられる良作。
■ドラマCD「宮沢賢治名作選集3 銀河鉄道の夜」
以前、選集1を買ったのですが、最近チェックしたらシリーズ進んでいて
銀河鉄道の夜は長いから朗読なんか大変だろうな、と思ったら
これは朗読じゃなくてドラマでしたw
ラッコの上着がくーるーよ!!
キャスト
ジョバンニ…石田彰
カムパネルラ…神谷浩史
タダシ/ジョバンニの母…緒方恵美
かほる/教師…桑島法子
青年家庭教師/ザネリ…小野大輔
灯台守/大学士/カムパネルラの父…大川透
鳥獲り…楠見尚己
ナレーション…野島健児
他
私は読むたびに、ジョバンニはだめっ子だなあと小さくイラッと来るのですが…
石田さんのジョバンニは自分の気持ちに正直、っていう良い風に捉えることが出来ましたw
電信柱のそばで遊んでるシーンとか可愛すぎるだろう…。
カムパネルラは正直難しい役だったろうなあと思いますが、神谷さんは物静かな少年を好演されてたと思います。
ジョバンニとカムパネルラ、役替えバージョンも聞いてみたくなったなあ。
ラストにちょっとアレンジが入ってました。まあ、お父さんのセリフが少し増えたからいいかw
キャストコメントでは、皆さんそれぞれにこの作品を大事にされてる気持ちがひしと伝わってきて
「名作文学」と呼ばれるもののよいところは、そういう部分にもあるんだなあとあったかい気持ちになりました。
逆にまったく触れる機会の無かった人には、そのあたりが重く感じられてしまうのかも知れませんが…。
ちなみに、カムパネルラの名前は
ナレーションではカ『ム』パネルラ、セリフのなかでは人によってカ『ン』パネルラと混同があります。
気になってましたが、やっぱりコメントで石田さんからその点については説明がありました。
私も読みではカ『ン』パネルラがいいのかなあと思います。スペルはイタリア語でCampanellaになるだろうという事ですが、パガニーニの『La Campanella』も日本では『カンパネッラ』表記になりますし。どのみち、n音のンではなく、m音のンなんでしょうが、訳語の難しさですね…。
なにより響きが、カンパネルラのほうが貫りがいいですよねw
表記はカムパネルラで読み慣れてしまってるので、矛盾ではあるのですが。
というわけで、長野まゆみの「カンパネルラ」を読み返してみようかなと思います。
さらにこのシリーズは
■選集2(朗読)
「セロ弾きのゴーシュ」石田彰
■選集4(ドラマ)
「風の又三郎」
石田彰、 鈴木千尋、保志総一朗、 宮田幸季、小西克幸他
キャスト情報が探せなかった。
■番外(選集5?)
「宮沢賢治物語―雨ニモマケズ―」詩の朗読と宮沢賢治本人を題材にしたドラマ
■選集6(朗読)
「やまなし」櫻井孝宏
「オツベルと象」杉田智和
「雪わたり」宮野真守
気になりますなあ。
やまなしは、小学校の頃授業でやってすごく思い出深いしw
オツベルも好きです。でもオツベルって、これもオッベルなのかオツベルなのか、どっちなんでしょうw
銀河鉄道の夜はイタリア人想定らしいのでなんとなく手がかりがあるんだけど、オッベルってどこの国の名前なんだろう。以前聴いたものでは「オッベル」でしたが。
雪渡りもいいなあ。「水仙月の四日」も聴きたい。
あと、「ひかりの素足」「雁の童子」とかの悲しいものとか
「鹿踊りのはじまり」とか、「なめとこ山の熊」とか民話的なもの
いろいろ聴きたいものがあるので、シリーズ続いてくれたらなーと思います。
ドラマだったらポラーノとかグスコーブドリ。
更に、同じレーベルから、浜田広介名作選集が出てるそうです。
浜田広介といえば、あの号泣必至、「泣いた赤おに」ですよ!!
キャストと作品は
「泣いた赤おに」中井和哉
「むく鳥のゆめ」保志総一朗
「りゅうの目のなみだ」中村悠一
となってます。「りゅうの目のなみだ」は読んだことないかな。
うわー。目の付け所がすごいというか、先に新美南吉とかいかないんだ、そこなんだw
■「朗読 雨月物語~菊花の約(ちぎり)~」
併せてポチっちゃったCD。でも、良い買い物したと思います。
だって石田彰が古典朗読、しかも菊花の約なんて…
やー、雨月物語っていえば蛇性の婬か浅茅が宿だけど、腐女子的にはやっぱり菊花の約か青頭巾だもんね!!w
さすがに青頭巾の朗読は聞くの勇気要りそうだけど…w
あらすじ。
戦国時代、播磨国で母と二人清貧に暮らす儒学者・丈部左門は、流行病に倒れた旅人を助ける。その懇切な看病に感謝した旅人は、出雲の武士赤穴宗右衛門と名乗った。軍学を修めた宗右衛門と左門とは、学問について問答を交わし、次第に友誼を深めて、ついに義兄弟の契りを結ぶに至る。義弟となった左門に、宗右衛門は己が身に負う事情を明かした。
宗右衛門が主命を帯びて他国へ使いしていた間に、尼子経久に城が攻め落とされた。急ぎ帰る途上思わぬ病に遭ってしまったが、やはりどうしても帰らねばならないと。
別れを渋る左門がいつ頃のお帰りかと問い、重陽(菊の節句)には、と宗右衛門は約束して播磨を発つ。
やがて菊の頃となり、宗右衛門の帰りを待ちわびる左門だったが、宗右衛門はその才を得んとする尼子と、尼子に従った従兄弟の丹治の謀略によって、城内に幽閉の身となっていた……。
善友かくありなん。
これも、読むと『左門さん、それはちょっと…』という感が強い。
ジョバンニとは違うダメさがありますよね左門は。でもこっちは普通にストライクです。石田さんが読むとさらにいじましくて……楚々とした美貌しか浮かんでこない。その白皙が後で丹治の返り血に濡れるの想像すると戦慄ですよね~…ああーいいなー。
そりゃこんな人に慕われて、好きな学問についても深く話し交わすことができたら、宗右衛門も仔細有る身でありながら義兄弟の契り結んじゃうよね…。
でもこの二人はどっちもどっちだな…っていう気がします。良いよね、割れ鍋に綴じ蓋!!
しかし江戸のころの衆道ものってどうしてこう血腥いかねw
古典朗読となるとやっぱり滑舌が気になってしまうものですが、その点でも申し分なく、なめらか。
ちなみにこちらの朗読シリーズでは、
第二弾「山月記」三木眞一郎、小西克幸
第三弾「星の王子さま」保志総一朗、諏訪部順一
が、出ているそうです。朗読でキャスト2人なのってどうなってるんだろ。