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深度三,三三糎の心の海から湧き出ずる、逆名(サカナ)のぼやき。
 
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裘代と長素絹。

法皇・法親王、高位の入道の宿(とのい)装束である裘代。
それ以下の僧侶が国家祭祀などで参内する時の素絹。
袍裳、鈍色より一段軽いため袈裟は五条である
(というより、五条袈裟自体が、こういった法衣に合わせる為に平安時代に創案されたという)

構成は前回日記を参照。

裘代は直衣の料にならって、冬の表白・裏二藍 のつもり…。
おずずは刺高(いらたか)だよ。算盤の珠みたいな形だよ。
素絹の五条袈裟は薄墨色。

………清楚だ…………。。。(ほわわわん)


闕腋、有襴、裾長で、ほぼ同型ですが、
素絹には縁(裘代の裾の喪の元まで飛び出ている箇所)が付きません。
僧綱襟もなく、裏地もなく(単)、文もありません。絹も練らない生絹です。
すっきりさんです。
法衣というよりは、
清浄(しょうじょう)を追求する、浄衣に近い考え方で作られたものなのだそうです。

キンキラ金襴法服も素敵ですが
こういう、神道の影響を受けた潔癖な匂いのする法衣もたまらなく好きです。


後日追加分あるかもないかも。



【追加というか過去記事から再掲】

22c18f9c.jpeg
裘代の料は、
・五条袈裟
・衵
・大帷
・指貫袴
・大口袴
・襪
・檜扇(夏は蝙蝠)
・数珠
です。
 
裘代とほぼ同じ形の「素絹(そけん)」という法衣もありますが、こちらはその名の通り、生絹(すずし)などで仕立てた裏無しのもので、裾も長くて清楚でよいのですが、やっぱり裘代のたっぷり感に分があると思います…。ふ…っ。
のちに、短く仕立てて裾を引かない「半素絹」「切素絹」など呼ばれるものが出来ましたが、短く簡便な方が一般的になったので、それをただ「素絹」と呼び、本来の長く裾を引くものは「長素絹」と呼ばれるようになりました。
参考資料:「原色日本服飾史」井筒雅風/光琳社出版
『法躰装束抄』(新校群書類従第六巻所収)内外書籍株式會社

おまけのおまけで、『法躰装束抄』から裘代の項。
※[]内は割注
******

一、裘袋事。[丈数三(ィ五)尺。此内ひろはゞ一丈五寸。ひろはゞなき時は七丈なり。たゝみやうはもつけ衣のごとし。下具かさねながらなり。]
しゞら綾。のしめ綾。又平絹。
俗の直衣の調様也。文法皇竹園は菊八葉。其外は家々文不同。白裏あり。[若人裏色]ぬいやう付衣に同じ。夏は裘袋を之を用いて着せず云々。又夏も冬を(ィも)之を通じて用ふ。別にすゞしはなきなり。
凡上ざまばかりめさるゝものなり。大納言入道まではゆりて着用参内すと云々。僧正又同也。是以下の人之を着ず歟。
○香織物裘袋事。
正安五十二。圓山殿下に於て十種供養の時。法皇之着御す。

(裏書)応永三年四月廿八日。尊道法親王青蓮院天台座主宣命之時。御見物の為に彼の門跡へ入御有り。室町殿ご装束。御裘袋。冬の如し。白張袴。文桐。長大帷。御指狩。[白平絹生。]香御袈裟。[同織物練。文桐唐草。]白生御帯。香御扇。御念珠。[予奉仕也。]

○下具白綾。[丈数四丈二尺。]衵。大帷。[丈数衵に同]白丁。大口。指貫。下袴五條香袈裟。念珠。[いらたかなり。]扇。[夏はかうもりあふぎ。]帯。[白生。]
○上絬之時は腰次あるべし。
 
○著さるべき様。
下絬上絬兩様なり。俗のごとし。あこめ以下なににても、下具は指貫下、したのはかまの上に入べし。まへふくらなし。よくひきちがゆべし。きうたいはさしぬきの上也。をびをあてて、まへうしろのわきをよくつくろひて、御裳をとりに(ィゆ歟)かめて、まへへをしやるなり。直衣の欄のごとし。又えんはもゝより三へにたゝみて、御裳(ィ裏)のつけめにとぢ付る也。
とほへ、かゝるほどにふかくちがへれば、そうかうのむねわろきなり。そうかう衣文さ(ィど)んじきに同也。但うらある程にはた袖をかへさず。
応永三元三垸飯。室町殿(年丗九)御出座之時。御裘袋。[しゞら。文桐丸。] 白綾御衵。[文桐。] 白綾御指貫。[熨目。藤丸。] 白下御袴。五帖香御袈裟。[堅織物。文桐唐草。] 御檜扇。[垂糸。]  御韈。平絹。御衣文。御はかまぎは。以下予之を沙汰す。以前のごとし。

******

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「法躰装束抄」「法中装束抄」など装束書の記述から、法衣と袈裟の構成を比較してみました。
文献は室町時代の物ですが、今回は平安~鎌倉初期の僧官装束を想定しています。

芦引絵の坊さん古典文学の中で、『衣』『袈裟』と出てくるけど、具体的には一体どんなものを着ていたんだろう?
(例えば、芥川龍之介「鼻」の内供が着ていた『椎鈍の法衣』って? だとか)
絵巻で←こういうお坊様が着ているものはなんていう装束だろう?
この人はどのくらいの位で、寺院内の序列は……?

…というような疑問の手がかりにするために、ちまちま書き出していたものですが、大河の信西さん達の謎衣(※前回記事参照)のせいでフンガーフンガー云わされ、こりゃ一覧表にでもしないとあたいのおつむじゃあ無理だよ!と思ったので、まとめてみました。
 禅宗が入ってきてからのものと思しき『直綴』などは入れていません。直綴の木訥とした襞が三度の飯より好きだ!という方には申し訳ございません…。

(図)五条、七条、九条、二十五条袈裟、修多羅、横皮。
修多羅がんばった(つぶれた)
袈裟図解
※袈裟の名所は、京都国立博物館2010年特別展覧会「高僧と袈裟」リーフレットを参考にした。

袈裟」は三衣(さんね)といって大きく三つに分けられます。
いくつか言い方がありますが、
大衣(九条以上の袈裟、僧伽梨)
上衣(七条袈裟、鬱多羅僧)
下衣(五条袈裟、安陀会)です。
その昔インドで僧侶が袈裟以外の衣を着けなかった頃には、大衣は上着や寝るときの掛布団代わり、上衣は衣、すこし小さめの仕立ての下衣は下着(腰巻き)でした。


法衣構成比較表
法衣 着用者 調 袈裟 下具
法服(袍裳) 法皇、法親王
晴儀料
赤 小葵文、浮織・堅織、裏有。夏は薄物。 打裳同色。 有文(轡唐草、蓮花菱襷など様々)綾織物、平絹 
袷(=裏地付)
打裳、別仕立て、単(=裏地無し)、
方立(僧綱襟を立てる)
縫腋
衲・甲・平等、七条・九条の袈裟、横被 表袴、大口、襪、鼻廣沓、念珠、檜扇、帽子
修多羅
法親王 料か
僧正
上下通用
受戒儀
薄墨(衣袍裳とも。表袴も薄墨)
鈍色 僧正 香(別名、香鈍色・星月夜) 無文 単 生絹・精好・穀織 
方立 裳別(単、白或は黒)
縫腋
五条袈裟
(平袈裟も)
表袴、大口、襪、鼻廣沓、念珠、檜扇。 
また、下臈は多く指貫。指貫の料は、白下袴、指貫、冬は衵、夏は単大帷子
凡僧以上僧正まで上下通用 白が本義。後代は正色も使用。浄衣の別称も
薄墨色のものを椎鈍というか
裘代 法皇、法親王の宿装束 有文 袷 縮羅(しじら)織、熨斗目綾、平絹等、
俗体直衣の調に同じ
方立 入襴(裳付)で長く裾を引く 闕腋
五条袈裟
指貫、大口、大帷子、衵、
檜扇(夏は蝙蝠)、念珠(刺高)
 
素絹 法会、参内時など 白を本義とする 無文 単 生絹 方立無 入襴引裾 闕腋 裘代とほぼ同型
(長素絹とも)
指貫 単 帷子、数珠、檜扇
半素絹 上下、無位
通用
常の衣
無文 単 生絹、麻など 方立無 入襴 闕腋 素絹を丈短に仕立てる(切素絹とも) 五条袈裟
内々では省略
指貫 単 帷子
裳付衣 墨 墨染衣、空衣(うつほ)とも 無文 単 生絹、麻など 方立無 入襴 闕腋
付衣 凡僧
以上か
香薄物、白薄物、薄墨 着用例;菊文(法皇・法親王)牡丹文(摂家)桐文(足利義満) 有文或は無文 薄物、長絹、布(麻、葛等の織物) 裳付衣に僧綱襟を立てたもの 五条袈裟 表袴、大口、襪、鼻廣沓、念珠、檜扇。
略儀には襟を半分に折る、袴を指狩に変える等する


袈裟について。
袈裟構成比較表
袈裟 法衣 着用者 調 横被(皮) 条数

袈裟
法服
(袍裳)
晴儀、大僧正
以下凡僧まで
綾織物、或は紺地錦 縁と
甲は
別布
、袷
唐錦、織物
縫物等、様々
・七条

袈裟
僧正 『香甲』縁濃香、甲(田相部分)香 綾、有文 仕立様
袈裟に同じ

僧綱 『紫甲』縁黒、甲紫 綾、有文
凡僧(有職、非職) 『青甲』縁黒、甲青 綾、有文
已講 『櫨甲』縁黒、甲櫨 有文
威儀師・従威儀師 『赤甲』縁黒、甲赤 有文

袈裟
法服
(鈍色にも)
僧正以上 香 浮堅織、有文 縁甲
共布
、袷
清華家入道以下 白 浮堅織、有文
上下通用 白 生平絹
法服の時
五条
袈裟
鈍色、
裘代、
素絹等
法皇・法親王・
摂家入道
香 練浮織物、堅織物
凡人僧正、聴りて
大納言入道の料
香 精好織
貴人入道 紫 浮織物に白貫文
上下通用 白 薄物、精好
薄墨 有文薄物、織物、
綾、平絹等 裏付も
※主に、『法中装束抄』『法体装束抄』(所収『新校群書類従 第六巻装束部(二)』内外株式式会社)に拠り、
適宜「原色日本服飾史」(井筒雅風/光琳社出版)「有職故実大辞典」(鈴木敬三編/吉川弘文館)を参照した。
※法衣構成に於いて、『布袴』『直綴』については省略した。

【2014/03/01追記】比較表のPDF版を作成しました。
『法中・法体装束抄』による 平安~中世世密教系法衣袈裟構成比較表(pdf)

[袈裟・法衣の目次]
前回で予告したとおり、みずら祭の準備を進めていたのです
…大河がまたやらかしていたので
なんだか思い余って書き殴ってしまいました。いつも以上に線が汚くて済みません。


もともと 袈裟好きには厳しい映像になってますが
宋僧淡海沙門が
なにかへんなものを着てて…
例によって袈裟なしなんですが、赤い衣に襟だけ黄。ただ、僧綱襟ではない。
謎の赤い襟巻きを巻いていて、また帯位置が高くて気持ち悪い。
そして、足下はどうも、表袴+大口袴………。
これ、一体なんなんだろう。
淡海沙門は来朝後、那智にお籠もりしてた御仁らしくて
それなりの期間熊野にいたのなら別に宋服じゃなくても無理はないけど
これ……ナニを着せられて居るんだろう………。。。
色や生地や仕立てからすると、袍裳(法服)っぽくはあるけれど
赤い袍裳なんか(当時は)法皇クラスの料らしいしそもそも袈裟なしはありえないし…
でも表袴ってことはそれなりにかしこまった装束ではある設定なんだろうけど。多分……

乏しい脳細胞をがんばって絞ってもわかりませんでした……。
ものすごく……気になる……。
全然趣味ではないが、純然たる好奇心で知りたい。


もしかして、これって、
『平治絵巻』とかに出てくるものなんでしょうか??
ボストン美術館展にそのうち行くつもりですが確認できるかな…

kiyomori_hushigi.jpg

その他、一回も『黒衣の宰相』にはならなかった信西、そろそろご退場のようですが
この人の法衣もわからない。
下が指貫だから鈍色だろうとは思うんだけど、生地が有文なのは袍裳だし…。
色も2色あるみたいですが、どちらも微妙……。
赤みがかった白(鈍色のつもり?)は、俳優さんの肌色に合ってなくて内臓が悪い人みたいな顔色に見えるし
黄褐色のは肌と同じ色で同化しちゃってるし、これ、香染のつもりなら、信西の位には合わないよ…。

if_Shinzei.jpg

こういう感じではダメだったんでしょうかね…。
(鈍色に紫五条袈裟)

 信西は、一回だけ袈裟を着けたことがあります。

清盛が謎の小学生作文を披露した歌会ですが
あの時だけは、なぜかあの時だけは、袈裟懸けでした。
ってことは、信西が袈裟を懸けててもいいんだという認識はあるわけですよね。
ただ、前の回で清盛に蹴倒されてたお坊様が付けてたものと同じ五条袈裟だったように見えるので、一回きりのレンタルとかだったんでしょうか…(死)

ほかにも、あの世界に袈裟が存在しないわけじゃなくて、例えば、上記したように清盛前室の平癒を祈祷してたお坊様がたは袈裟懸けでした。女院付きの尼姿の女房も白袈裟をつけてた(ただし女院は懸けない)。
池禅尼も懸けてないような…。
わけわからん。
その線引きって、一体なんなんでしょう。



西行さんについては以前の記事でもぶつぶつ云ってましたが、if_Saigyou.jpg


この人の場合は遊行僧の風体だから袈裟は省略したり(捻って襷掛けにしたり)してもいいわけですが
いかんせん……何とも云えないあの……気持ち悪い襟巻き、袖無し衣、帯位置。
坊主にすら見えないよ。
なんか、昔のハリウッドのB級映画に出てくるインチキブッディストみたいだ。


普通こういう感じを思い浮かべるものじゃないですか??→
なんでああなるんだろう……。

というか、今ふと、思ったのですが、
この、肺病みの人みたいな襟巻き、鳥羽さん、西行、淡海がしてたのを覚えているのですが、これってもしかして、高僧が頭からかぶる帽子(もうす、白い布をかぶった尼さんを想像してください)を、首からかけた形を、勘違いしたかなんかなんですかね…。 だとしても普通、色は白か青だそうだけど。


あと、後白河さん。
私服がダサすぎる。今上が内々でも烏帽子狩衣ってないし
赤地に銀糸の尾長鳥?大文で、もうやめときゃいいのに
またこの人にも、袖無しの長衣を着せてる。
しかも狩衣の上からですよ。
あんたそれ、スーツジャケットの上からバスローブでも羽織るみたいなもんだよ。
なんでその間抜けさがわからないんだろう……。

というか後姿で腰が見えない狩衣なんか意味ないよ!!!!!あそこが萌えなのに!!!!

そんなに羽織りもの着せたかったら、小袖の上から羽織れば済むのに……。
if_Goshirakawa.jpg
←帝内々の料、金巾子冠、白小袖、紅切袴。

これならまあなくはない…と思います。どうでしょう…。

なんか後白河さんは一瞬、あり得ない黒い御引直衣着てたような気もする(縹なら夏の料だけど、年齢的に色が濃すぎる)
衣装代の配分、間違ってると思う。。。
…………ねえその切った袖部分染め直して袈裟つくろうよ!!!!!


あと清盛も、スッキリしない色の衣ばっかり着てるし、あの全身黒灰色……カッコイイ黒(笑)にしたかったけど、真っ黒はさすがに避けてあれなんでしょうか?避けるくらいなら別の色にしなよ……。

というか、この人物デザイン?かなんかの人は、あの長いちゃんちゃんこみたいなものがお気に入りなんでしょうか。主要人物に濫用して……。袈裟無しと帯の位置もそうなんですかね。ポリシーですか。へえ(乾いた声)

なんというか、そもそも……
有職故実の知識をあまり深くお持ちではなかろうということはわかるのですが
もっとこう……そもそも、異人さんなみに、古典文学とか、絵巻とか、時代物に親しんだ経験がなくて
いわば、リテラシー(識字能力)がないみたいな…、、、
確かに、考証専門の方に入って貰ってるんだとは思いますが、
デザイナーの人自体が、こう、ぼんやり頭の中に浮かぶイメージすらないから、『なんかおかしいかも』と思い留まることもなく、付け焼き刃のうさんくさい仕上がりになる。そういう感じに見えます。

わかっててわざとやってるんだったらただの悪趣味ですが。

まあ、自分だってちょっと資料を見ただけで半ば趣味のごとくぶーぶー放言しまくってるんだから
いずれ五十歩百歩の輩ではありますし
別に妙な魔改造自体をどうこう云うんじゃなくて
あのどうしようもないチープさをどうにかして欲しい。
為朝なんか、お子さんが段ボールでつくったロボっぽい何かを着てがおーって言ってあげてる日曜日のお父さんみたいでした。
古典の勉強なんかもう今更遅くても、過去のB級特撮時代劇映画を見ればいいんだと思いますが。
いくらでもモノとして成立したケレン衣装が見つかると思います。


節会とか、考証に気合い入ってるなと思える部分はありますよね。
ただ、ピンポイントというか、小ネタ仕込んで終わってるというか…個々のお仕事で完結してる感じ…。

[袈裟・法衣の目次]

全日本及び三千世界のみずら愛好家の皆様こんばんは。uka_kuchinashi.jpg

いいですね。みずら。
みずら。いいですね。
ことにわたくしいわゆる『下げみずら』の類が最愛でして
くるっと巻いてさらーんと垂らす…
というねー。可憐にもほどがあるというねー。
好いたらしくってどうにもこうにも。えい。

どこがそんなに好きなのか
というと、見た目それ以上に
『中古代の貴顕童児が元服前に結った』という点です。
さらに
『主上御童躰之御時』とか『法親王御幼少』とか
『東宮が』『親王が』『殿上童が』とか
『寺院の兒(ちご)が法会などで童舞を披露する時に結った』とか
『絵巻でよくみずらの子が竜頭鷁首に乗ってる』とか
『みずらを結った天人の童子が現れた!!』とか

なんて夢いっぱい…。(ほわわわん)
などて愛でずにいらりょうか!

…という具合です。はい。


…まあ、だからといって大河の四の宮に萌えられたかっていうとそうでもなかったんですけどね…。


ところで先日、長年手元に欲しいなあと思っていた
『改訂日本結髪全史』(江馬務/東京創元社/昭35)を古書で入手いたしまして
137652305.v1338631859.jpg
絵巻などから起こされた図版が豊富でたまりません。
ただあまりに図版が魅力的だったため、以前図書館でコピーした時は、
そちらを優先させてしまったので、本文はほとんど手元になく…。
やっと念願叶いました。

この機会に手持ちの資料のおさらいも兼ねて、というわけで

ここ最近みずらへの愛に溺れています。

書籍からPCへのテキスト打ち込みは気が向いた時にやってきていたのですが、
時間をおいて何度も読み返してやっと解る箇所もあったりと、たのしいです。ヒヒヒ。


なんらかの形になれば当ブログにも掲載したいと思っています。
とりあえず初回は、「みずら」ってどんなもの?「総角」とかとは違うの?…みたいな話になりそうです。


…ただあくまで本人がめいっぱい耽溺するのが本旨ですので、悪しからず(言い切った)

という至極残念な宣言だけでもなんなので
→は本館の過去トップ絵ですが挿頭花を八重梔子に差し替えてみました。

もうひとつはらくがき三人皇子です
4d86c38d.jpeg
普段はこういう感じであんまり長さとか紐の結び方とかを深く考えないで描いてしまってるので
資料を詳しくみるとアチャーってことも多いのですが(汗)
そういう部分も含めて記事にできたらなーと思います~。



 
白拍子静(映画『新・平家物語 静と義経』より)映画『新・平家物語 静と義経』見たのでお絵かき。
主役は静で、もう兄上との仲がだいぶあかんようになっている義経が、幼馴染み設定の静に都で再会してから、静が鶴岡八幡宮で「しづやしづ」と舞う場面までが描かれています。
 主演は淡島千景さん。
 

以前書いた若き清盛が主役の『新・平家物語』と、もう一作、木曽義仲が主役のものとで、三部作の筈なのですが……
木曽さんDVD化すらされてない!!

白拍子といえば、思い浮かぶのはまずこの紅袴に烏帽子水干ですが、これは男装です。紅袴だけがっつり女物なのが却ってあやしく引き立っています。
ただ、これが固定の舞装束というわけでもなく、烏帽子や刀を取ったり、水干は白以外も着たようです。

※ちなみに文様の素材はいつもの如く
「平安文様素材CD-ROM」(八條忠基/マール社)


静と義経明日は落ち行く身のふたり。

映画は落ちのびメインなので、九郎さんは英雄というよりは心映えのよい美丈夫という感じで、苦悩しっぱなし。
いよいよ鎌倉から反逆者扱いを受け
反撃に出るよう焚きつける新宮十郎を退けたあと
清々しく寂しげな微笑で、曰く
「もう戦はいやだな」

つかれちゃったんだねい……。
しんみり……。

王道中の王道なお話です。
とくに今更あらすじを紹介するまでもないくらいに…。

しかしあの 最後の舞のシーン
梶原の命令で、射手が舞台上の静を狙うのですが、それに気付いた静は、口元には扇をかざしたまま、じ……っと射手を見据えます。射れるものならば射てみよ、というように。
この眼差しがすさまじい。
舞振りもさすがで、うっとりしっぱなしだったのですが、あの静かな双眸もしっかり目に焼き付いています。結局射手は汗だくで、つがえていた矢を下ろしてしまい、静はすうっと扇を下ろして、「埒もない…」というように踵を返します。その時の流し目もぞくぞくきたなあ。
北条政子

おまけで鎌倉夫婦。
腰越状を読む鎌倉殿懊悩鎌倉殿


 

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管理人紹介
HN:逆名[サカナ]
HP漁屋無縁堂

無駄と斑の腐渣。
らくがきと調べ物が趣味の
風俗文化史好き歴史オタク。
人物志より文化史寄り。
イチ推しはみづら
(美豆良/鬟/鬢頬/総角)。

中古日本史、東洋史、仏教史(仏教東漸期の東アジア、平安密教、仏教芸能、美術、門跡寺院制度等)、有職故実、官職制度、風俗諸相、男色史。古典文学、絵巻物、拾遺・説話物。

好きな渡来僧:婆羅門僧正菩提僊那、林邑僧仏哲
好きな法皇:宇多法皇
好きな法親王:紫金臺寺御室、北院御室
好きな平氏:重盛、経盛、敦盛
好きな法衣:裘代五条袈裟
好きな御衣:御引直衣
好きな:挿頭花と老懸を付けた巻纓冠
好きな結髪:貴種童子の下げみずら
好きな童装束:半尻、童水干
好きな幼名:真魚(空海さん)
好きな舞楽:陵王、迦陵頻、胡蝶
好きな琵琶:青山、玄象
好きな:青葉、葉二
好きな仏像:普賢・文殊(童形)はじめ菩薩以下明王、天部、飛天(瓔珞天衣持物好き)

やまとことばも漢語も好き。
活字・漫画・ゲーム等、偏食気味雑食。

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御容赦下さいませ。

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