主役は静で、もう兄上との仲がだいぶあかんようになっている義経が、幼馴染み設定の静に都で再会してから、静が鶴岡八幡宮で「しづやしづ」と舞う場面までが描かれています。
主演は淡島千景さん。
以前書いた若き清盛が主役の『新・平家物語』と、もう一作、木曽義仲が主役のものとで、三部作の筈なのですが……
木曽さんDVD化すらされてない!!
白拍子といえば、思い浮かぶのはまずこの紅袴に烏帽子水干ですが、これは男装です。紅袴だけがっつり女物なのが却ってあやしく引き立っています。
ただ、これが固定の舞装束というわけでもなく、烏帽子や刀を取ったり、水干は白以外も着たようです。
※ちなみに文様の素材はいつもの如く
「平安文様素材CD-ROM」(八條忠基/マール社)
明日は落ち行く身のふたり。
映画は落ちのびメインなので、九郎さんは英雄というよりは心映えのよい美丈夫という感じで、苦悩しっぱなし。
いよいよ鎌倉から反逆者扱いを受け
反撃に出るよう焚きつける新宮十郎を退けたあと
清々しく寂しげな微笑で、曰く
「もう戦はいやだな」
つかれちゃったんだねい……。
しんみり……。
王道中の王道なお話です。
とくに今更あらすじを紹介するまでもないくらいに…。
しかしあの 最後の舞のシーン
梶原の命令で、射手が舞台上の静を狙うのですが、それに気付いた静は、口元には扇をかざしたまま、じ……っと射手を見据えます。射れるものならば射てみよ、というように。
この眼差しがすさまじい。
舞振りもさすがで、うっとりしっぱなしだったのですが、あの静かな双眸もしっかり目に焼き付いています。結局射手は汗だくで、つがえていた矢を下ろしてしまい、静はすうっと扇を下ろして、「埒もない…」というように踵を返します。その時の流し目もぞくぞくきたなあ。
おまけで鎌倉夫婦。
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